今日もwikisourceの訓民正音解例 制字解 からです。
(略)夫人之有聲本於五行。故合諸四時而不悖,叶之五音而不戾。
喉邃而潤,水也。聲虛而通,如水之虛明而流通也。於時爲冬,於音爲羽。牙錯而長,木也。聲似喉而實,如木之生於水而有形也。於時爲春,於音爲角。舌銳而動,火也。聲轉而颺,如火之轉展而揚揚也。於時爲夏,於音爲徵。齒剛而斷,金也。聲屑而滯,如金之屑瑣而鍛成也。於時爲秋,於音爲商。脣方而合,土也。聲含而廣,如土之含蓄萬物而廣大也。於時爲季夏,於音爲宮。然水乃生物之源,火乃成物之用,故五行之中,水火爲大。喉乃出聲之門,舌乃辨聲之管,故五音之中,喉舌爲主也。
喉居後而牙次之,北東之位也。舌齒又次之,南西之位也。脣居末,土無定位而寄旺四季之義也。是則初聲之中,自有陰陽五行方位之數也。(以下略)
※見やすいように、関係あるところを赤字にしています。
上記は喉、牙、舌、歯、唇音を五行説との関係について説いているようです。
木・火・土・金・水(もく・か・ど・ごん・すい)に分類されるということですね。
私にもわかるところをピックアップして、表にしてみます。
五音 | 五行 | 四時 (五時) | 五音 (五声) |
(よみ) | (西洋の音階) | (五方) |
喉音 | 水 | 冬 | 羽 | (う) | (ラ) | 北 |
牙音 | 木 | 春 | 角 | (かく) | (ミ) | 東 |
舌音 | 火 | 夏 | 徴 | (ち) | (ソ) | 南 |
歯音 | 金 | 秋 | 商 | (しょう) | (レ) | 西 |
唇音 | 土 | 季夏 (土用) | 宮 | (きゅう) | (ド) | 定位無し (中) |
()の文字は、自分で調べて表に入れ込んだもの。
季夏(きか):夏の末。
羽や角などは、五声(ごせい)といい、中国音楽で使われる五つの音高で、五音(ごいん)ともいうそうです。訓民正音の中では、『五音』としてでてきています。
それぞれの音が、西洋の音階ではどれに該当するのかも、入れ込んでみました。
母音をまとめている時も思ったのですが、それぞれの音・それぞれの字母すべてに意味があって、しかも陰陽五行説に基づき理論的に整然と創られていることに、ハングルのすごさを感じます。
では、今日はこの辺で。